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receptor)合成の低下、α2β1、α5β1receptor(collagen/FNreceptor)の合成を促進させ、細胞表面上のreceptor expressionをmodifyして、結果としてlamininへの細胞接着を阻害した。しかしながら細胞表面での“サイトカイン依存性細胞接着抑制活性”が出現するためには、24時間近くの時間が必要であり、サイトカインは即時型の細胞接着阻害因子ではない。次にマトリックス蛋白質であるthrombospondin(TSP)は、線維芽細胞、内皮細胞のfocal adhesionを阻害するとの報告が認められるが一方で接着因子であるという報告がある。その他、tenascin、SPARCについても報告がある。今回申請者らは、この細胞接着抑制分子のなかにHKaを加えることができた。またHKaの細胞接着は、β3−integrinに特異的であり、VN−VNRの阻害が主であるのに対し、TenascinによるFN依存性細胞接着の阻害と対照的である。HKaは上記分子の中で、血漿に存在し、最も強力な、即時型の細胞接着阻害物質である。以上がHKaについてのin vitroに関する成果である。

 

(3)HKaの細胞接着抑制活性について
我々の用いた細胞接着のアッセイ系は、VNを固定化したpolystylene dishに、種々の血漿分画と共に細胞を入れ、1時間後の伸展する細胞を検討する方法である。細胞はRuoslahti博士一派らが、Fibronectin receptorを単離するのに用いたosteosarcoma cell line(MG63)を使用した。その結果
?@最も強力な細胞接着抑制作用はHKaに認められ、HKiに関しては、全く細胞接着抑制を示さず、逆に高濃度では、細胞接着を増加させる結果となった。

 

 

 

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